遺族年金の受け取り方法を分かりやすく解説!もらえる金額まで計算

もしもに備えておくのはとても良いことです。生計を維持している大黒柱が亡くなってしまった場合、残された遺族は悲しむとともに生活も困窮する場合が多いです。残された遺族が路頭に迷わないために「遺族年金」について理解をしてもらえるようにしておきましょう。「遺族年金」はあると無いとでは大違いです。場合によっては年間で200万円もの差が出ます。「遺族年金の受け取り」にもしっかりと受給資格が設けられていますので確認をしておかないと後悔することになってしまいます。

終活ドクター
この記事を読むと、
「遺族年金の受給期間はいつまでなの?」
「遺族年金をもらえるのなら受け取り方法まで知りたい」
「遺族厚生年金をいくらもらえるのか計算したい」
などの悩みや疑問を解決できますよ

遺族年金とは

遺族年金は死亡した方に生計を維持されていた遺族に給付される年金のことです。遺族年金は「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」に分けられて、それぞれ受給資格が必要です。遺族年金の金額は死亡した方の所得や年齢、納めた保険料の合計額によって変化せず一律です。

遺族年金の

「受給資格を知りたい」

「受給対象者の条件は?」

「年金額はいくら?」

「もらえない場合の対処法は?」

「もらえなかったケースの例を教えて!」

という方はこちらで詳しく解説していますのでご覧ください。

終活ドクター
この記事では専門用語の説明は少ししかしないので、遺族年金についてあまり知らない方は事前に見ておくといいですよ。

遺族年金は国民年金が未納だともらえない?ケース別に分かりやすく解説

2019.06.15

遺族年金の受給期間はいつまでなの?

遺族年金は2種類あります。「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」の2つです。それぞれ受給資格を満たしていて、生計を維持していた方が死亡した場合、その翌日から受給資格を手にできます。受給期間はそれぞれ異なるので1つずつ解説していきます。

終活ドクター
「遺族年金の受け取りはいつまでに請求しないといけないの?早く教えて!」と気になる方はこちら(この記事の下部分)にありますのでご覧ください。

遺族基礎年金の受給期間

遺族基礎年金の受給資格は死亡した方が国民年金の被保険者、または受給資格期間を満たした方(国民年金の被保険者期間が25年以上)で、被保険者期間のうち「保険料納付済期間+保険料免除期間」2/3以上あることが必要です。あるいは、死亡日に65歳未満で2ヶ月前までの1年間に保険料の未納(滞納)がないことが受給資格の条件です。

遺族基礎年金の受給対象者は「子のある配偶者」、もしくは「子」がいる場合でしたね。遺族基礎年金は子の年齢に左右されて期間が決まります。子の定義は、18歳の到達年度の末日(3月31日)を経過していないことが条件(複数人の子のうち1人だけでも満たしていれば受給可能)です。もしくは、20歳未満の障害等級1級・2級の子が条件です。逆にこれを満たすことができない場合(子がいない、子供が18歳以上など)は遺族基礎年金を受給することはできません。さらに、遺族基礎年金を受給していたとしても、子が18歳の条件を満たさなくなった年からは遺族基礎年金を受給がストップします。
受給期間についてまとめると、

遺族基礎年金の受給期間

・子が18歳の到達年度の末日になるまで

・障害等級1級もしくは2級の子が20歳の到達年度の末日になるまで

・上記2つの条件を満たしている子が年齢到達(18歳もしくは20歳)を待たずに婚姻するまで

参考:「日本年金機構」

終活ドクター
子の年齢要件を満たしている期間はずっと受給できるのが遺族基礎年金でしたね。次に遺族厚生年金の受給期間について見ていきましょう!

遺族厚生年金の受給期間

遺族厚生年金の受給資格は遺族基礎年金の受給資格に加えて、厚生年金の被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡し、「保険料納付済期間+保険料免除期間」2/3以上あることが必要です。さらに、老齢厚生年金、または1級・2級の障害厚生年金の受給権者(受給資格を満たしている方)が死亡した場合も受給できます。

遺族厚生年金の受給対象者は死亡した方に生計を維持されていた以下の人のうち高い順位の方にのみ支給されます。

①妻・夫・子 ②父母 ③孫 ④祖父母

夫、父母、祖父母に関しては55歳以上に限ります。支給は60歳からになります。夫の場合も遺族基礎年金・遺族厚生年金を受給することができます。子と孫の定義に関しては既に述べていますので割愛します。

さらに遺族厚生年金には死亡した方の年収要件があります。年収は850万円以上(所得は655.5万円以上)の方は受給できません(どちらかが基準以下であれば大丈夫です。詳しく知りたい場合はこちら)。
受給資格獲得後に年収が850万円を超えた場合でも受給できます。この年収要件のせいで受給できない方がたくさん出てきますが、5年以内に年収が850万円を下回ることを証明できれば受給することができます。詳しい内容や問い合わせ方法についてはこちら

遺族厚生年金は遺族基礎年金と比べて幅広い世代がもらえます。遺族基礎年金とは違って、子がない妻や夫でも受給できる点も、期間が長いのも良いですね。ただ、生計を維持している方が厚生年金に加入している必要がありますが。(厚生年金に加入できるのは会社員・公務員などの自営業以外の方)

終活ドクター
遺族厚生年金は条件によって、一生涯受給できるのでしっかりとチェックしておきましょう!
遺族厚生年金の受給期間

・子のない30歳未満の妻は5年間の有期年金となります

※30歳以上の妻は子の有無に関係なく受給対象者(この場合だと妻)が死ぬまで一生涯受給できます

・夫、父母、祖父母は受給可能な年齢(60歳以上)から死ぬまで一生涯受給できます

・子、孫は子と定義される期間の間(18歳の到達年度の末日になるまで)は受給できます

※こちらにはいくつか細かい要件が年齢ごとにあるので場合分けして解説していきます。

参考:「日本年金機構」

※30歳以上の妻は子の有無に関係なく受給できますが、年齢によってもらえる年金の名称が変わってきますし、受給額も変化します。子のない(子の定義を満たしていない)40歳以上65歳未満の妻は年額で585,100円が遺族厚生年金に加算されて65歳まで受給できます。これを「中高齢寡婦加算」と言います。65歳になるとこの中高齢寡婦加算の支給はストップします。(自分の老齢年金がもらえるようになるので)
遺族厚生年金は夫でも受給できるようになりましたが、中高齢寡婦加算は妻だけの制度です。妻が死亡した夫は遺族基礎年金、遺族厚生年金を条件を満たして受給することはできても中高齢寡婦加算は受給できないということです。

さらに深掘りしていきますと、「寡婦年金」「死亡一時金」というワードに行き着くのですが、この詳しい説明はこちら(この記事の下の方)でしていますので、「早く知りたい!」という方はご覧ください。

終活ドクター
遺族厚生年金の受給期間についても分かったと思います。すると、
「遺族年金を受け取るためにはどうすればいいの?」と思うと思います。次は遺族年金の受け取り方法について見ていきましょう!

遺族年金の受け取り方法

遺族年金には2種類ある(遺族基礎年金、遺族厚生年金)ことは既にお分かりだと思います。上記でちらっと出てきた「寡婦年金」についても受け取り方法を示しておきます。まれに「公務員が入る共済年金はどうなの?」と質問される方がいますが、共済年金は既に厚生年金に統合されていますので遺族厚生年金に分類されますのでご注意下さい。

遺族年金は請求するのに事前の準備が大切です。事前に「年金事務所」にて遺族年金の受給資格の有無を確認できていて、さらに必要書類があると受け取りまでにスムーズに請求可能です。以下の必要書類や請求期限などをしっかり確認して準備すれば受け取りまで簡単です。

遺族年金の受け取りに必要な書類

遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金の受け取り方法について説明していきますのでご確認ください。基本的にこの3つの遺族年金の請求に必要な書類は同じです。ただ、死因などの理由により別途必要な書類が出てくる可能性があるので必ず必要な書類を揃えて年金事務所等に行ってみましょう!

遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金の受け取りに必要な書類

1.どんな状況でも必ず必要な書類

必要な書類 備考
※年金請求書 市区町村役場、年金事務所、年金相談センターでもらえます
年金手帳 提出できないときは、その理由書が必要です
戸籍謄本(記載事項証明書) 受給権発生日以降で提出日から6ヶ月以内に交付されたものが必要です
世帯全員の住民票の写し 死亡者との生計維持関係確認のために必要です
死亡者の住民票の除票 世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要です
請求者の収入が確認できる書類 所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票等であれば問題ないです
子の収入が確認できる書類 義務教育終了前は不要です
高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証が必要になります
市区町村長に提出した死亡診断書(コピーでも可) 死亡の事実(原因)および死亡年月日確認のために必要です
本人名義の受取先金融機関の通帳等 カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカード(コピーも可)等が必要です
請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要です
印鑑 認印でも可能です

※国民年金の被保険者であった方(遺族基礎年金の請求をする方、もしくは寡婦年金の請求をする方)は「市町村役場」に書類を提出してください(年金事務所等でも手続きはできます)。それに対して、厚生年金の被保険者であった方(遺族厚生年金の請求をする方)、もしくは死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、「年金事務所」もしくは「年金相談センター」へ提出します。

2.死因の場合が第三者の行為によるものの場合

必要な書類 備考
第三者行為事故状況届 所定の様式があります
交通事故証明または事故が確認できる書類 事故証明がとれない場合は、事故内容がわかる新聞の写し等が必要です
確認書 所定の様式があります
被害者に被扶養者がいる場合、扶養していたことがわかる書類 源泉徴収票、健康保険証の写し、学生証の写し等が必要です
損害賠償金の算定所 すでに決定済の場合。示談書等受領額がわかるものが必要です

書類には書式等もありますし、死因などのケースによって様々です。ご自分で遺族基礎年金の受け取りの手続きを完了させる場合には事前に年金事務所に出向いて確認を取ると良いと思います。この表は「日本年金機構」を参考に作成したものなので間違いはないですがケースごとに対応するのが良いので事前に確認すると良いです。
中には、「そんな時間ないよ!」「書類集めるの大変そう」という方もいるのも事実ですので、年金等の手続きを代行してもらうのも1つの手です。このような悩みをお持ちの方は「税理士」に相談してみてくださいね。

参考:「日本年金機構」

終活ドクター
3つの遺族年金の受け取りに必要な書類は理解できましたか?もっと詳しい内容が知りたい場合はお近くの年金事務所等に確認してみるのも良いですね。
次に、「集めた書類をどこに提出すれば良いか」について解説していきますね。

遺族年金の請求書の提出先

遺族年金の受け取りに必要な書類については死因などが違わなければ「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「寡婦年金」のどれも同じ書類が必要でしたね。ですが請求書の提出先は少しだけ異なってくるので1つずつ確認をしていきましょう。

遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金の請求書の提出先

国民年金の被保険者であった方(遺族基礎年金の請求をする方、もしくは寡婦年金の請求をする方)は「市町村役場」に書類を提出してください。年金事務所、年金相談センターでも手続きは可能です。

それに対して、厚生年金の被保険者であった方(遺族厚生年金の請求をする方)、もしくは死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、「年金事務所」もしくは「年金相談センター」へ提出します。国民年金の「第3号被保険者」とは、「第2号被保険者(公務員・会社員など)」の妻(専業主婦も含む)にあたります。「第1号被保険者」は20歳以上の学生、自営業の方などが含まれます。

遺族年金の請求の期限

結論から言ってしまうと、遺族基礎年金、遺族厚生年金は支給開始(死亡した日の翌月から)から「5年間の期限」になっています。寡婦年金は支給開始から「2年間の期限」です。遺族年金は受け取りの請求を行わなければ一向に支払われません。死亡してから早く手続きを済ませることが大切です。上記に書いた「遺族年金の受け取り」についてですが、この請求を年金事務所等にしてから約4ヶ月後に最初の振り込みがあります。
流れとしては、

遺族年金の受け取りまでの流れ

1.「遺族年金の受け取り請求」

2.「年金証書」「年金決定通知書」が郵送される(これらが届くまで約60日ほどかかります)

3.「年金振込通知書」「年金支払通知書」が郵送される

4.初回の振込(年金振込通知書等が郵送されてから約50日ほどかかります)

1の遺族年金の受け取り請求を行ってから遺族年金が振り込まれるまでに約110日(約4ヶ月)かかります。これは最速のパターンです。夫もしくは妻の死後必要書類を集めてすぐに請求して書類に不備がない場合です。

良くある質問として、「どんなに最速で手続きしても4ヶ月分の遺族年金は損になってしまうの?」と言われますが、そうではないです。最初の振り込みに4ヶ月分(受給権を得てから振り込みまでにかかった月数分)の遺族年金が一括で振り込まれます。
勘の鋭い方はお気づきかもしれませんが、振り込みまでの期間は遺族年金を受け取ることができないので、夫や妻の死後、生活が困窮する前にすぐ手続きを行うのが賢明だと言えます。

遺族年金の時効

遺族年金には受け取り期限(遺族基礎年金、遺族厚生年金は5年、寡婦年金は2年)があると言いましたが、これを過ぎてしまうと「遺族年金受け取りの権利自体が無くなってしまう」と書いてあるサイトがたくさんありますが、そうではないです。5年までは、「請求してから一括で受け取る権利がある」ということです。もしも夫や妻の死後かなりの時間(5年以上)が経過しているのであれば「全くもらえない」というわけではないのですぐに請求した方がいいです。この場合ですと5年前までの遺族年金をもらうことができます。

年金事務所の窓口で2年以上経過しているからもらえないです。と言われてしまうケースなどもあるらしい(法的には5年なのでもらえる権利はありますので安心してください)ので、不安な方は税理士等に相談するのもいいかと思います。故人の遺産相続についても相談できますのでオススメです。

終活ドクター
ここまで遺族年金の請求する際の提出先や時効に関して確認してきましたね。次は、
遺族基礎年金や遺族厚生年金がいくらもらえるのかについてケース別に分かりやすく解説します。

遺族年金のもらえる金額を計算しよう(ケース別に紹介)

遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類についてケース別にもらえる金額を計算していきたいと思います。ケースに当てはまらない方も出てくると思いますが、計算式を簡単にしておきますので、簡単に計算できると思います。

遺族年金の年金額

遺族基礎年金の年金額
780,100円(満額の老齢基礎年金と同額)+※子の加算額

※子の加算額にはルールがあります。第1子と第2子は各224,500円で、第3子以降は各74,800円です。3人の子がいる場合だと、224,500+224,500+74,800=523,800円となります。ここに遺族基礎年金の780,100円を足すと、合計で1,303,900円もらえることになります。このケースの場合だと合計額で100万円以上もらえるので、受給資格を満たしているかいないかで残された遺族の生活も変わってきます。知っているかいないかで差が出てきますのでしっかりと確認をしておきましょう!

遺族厚生年金の年金額
少し複雑な計算式があるので、気になる方はこちらの記事をご覧ください。「計算だけしたい!」という方はこのまま読み進めてくださいね。

ケース別の年金額

夫が死亡した場合

妻が死亡した場合

計算条件
①死亡した夫または妻の厚生年金への加入期間を25年(300月)として計算しています。
②平成15年4月以降は総報酬制の適用を受けますが、ここでは賞与総額が全月収の30%として計算しています。
③のこされた妻または夫は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給するものとして計算しています。
④妻については経過的寡婦加算は含みません。
⑤夫の死亡時に30歳未満で、子どものいない妻に対する遺族厚生年金については5年間の有期給付とされます。
⑥妻死亡時に55歳以上の夫には遺族厚生年金の受給権が発生することがありますが、ここでは考慮していません。
⑦一定の条件のもとに算出した計算上の目安額であり、実際の支給額を約束するものではありません。

引用元:「オリックス生命保険」

上記のケースに当てはまらない場合、計算式自体はそこまで難しいものではないので、ご自身で計算してみてくださいね。「自分で手続きやもらえる額の概算が面倒」という方は税理士を無料で探してもらいましょう!

終活ドクター
遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)のケース別に受給できる額も理解できたと思います。手続きを行ったことのない方だと少し難しく感じるところではあると思いますが、業者の方に任せるなりしてみるといいのではないでしょうか?中には遺族基礎年金、遺族厚生年金の受給条件を満たしていない方もいるかもしれません。まだ遺族年金をもらえる可能性はありますので諦めないでください。次に、
「遺族年金以外にお金をもらえる条件」ついて解説していきます。

遺族年金以外にもお金をもらえます

国民年金の第1号被保険者(自営業の方など)は厚生年金に加入していないので「遺族基礎年金」しか受け取ることはできませんが、遺族基礎年金は子の条件を満たしていないと基本的に受け取れません。子供が既に大人(18歳以上)になっている場合やそもそも子供がいないご家庭の方は夫が亡くなっても遺族年金を受け取れません。この時に条件を満たすと支給されるのが、「寡婦年金」「死亡一時金」です。遺族基礎年金、遺族厚生年金と同じようにこれらにも受け取るための条件があるので確認していきましょう。ただし、「寡婦年金」「死亡一時金」はどちらか1つしか受け取れません。

寡婦年金とは

国民年金の第1号被保険者(自営業の方)が国民年金の保険料の「納付済期間+免除期間」10年以上ある夫が年金を受け取らずに死亡した場合、10年以上の婚姻関係(事実婚を含みます)があった妻に支給されるものです。支給期間は60歳から65歳(妻の老齢基礎年金が支給されるまでの期間)までです。しかし、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求をした場合、寡婦年金の受給権は消滅します。受給額は夫がもらうべきだった老齢基礎年金の年金額の3/4です。概算ですが、30年間国民年金の保険料を納めていた場合、約45万円受け取ることができます。
まとめると、

寡婦年金の受給条件・受給期間・受給額

・夫の国民年金の保険料の「納付済期間+免除期間」が10年以上

・妻だけが受け取れる年金(夫は受け取れない)

・夫が年金を受け取っていない

・妻と10年以上の婚姻関係がある(事実婚含む)

・支給期間は60歳から65歳までの間

・老齢基礎年金の繰上げ支給をすると寡婦年金はもらえない

・受給額は夫の老齢基礎年金の3/4。国民年金を30年間納めていると、45万円ほどもらえる

参考:「日本年金機構」

死亡一時金とは

遺族基礎年金を受給できない遺族に支給されます。国民年金の第1号被保険者としての「納付済期間+免除期間」36月(3年)以上ある方が年金を受給しないで死亡した場合、子のない妻など、遺族が遺族基礎年金を受給できない時に支給されます。死亡した被保険者が生前において障害基礎年金の支給を受けたことがある場合、他の要件に関わらず、遺族に死亡一時金は支給されません。死亡一時金は夫の死後2年以内一度だけ受給することができます。受給対象者は、死亡した方に生計を維持されている方で高い順位の方にのみ支給されます。受給額は納めた国民年金の保険料によりますが、12~32万円をもらえます。

終活ドクター
遺族厚生年金の受給対象者に似ていますが、少しだけ異なります。また、合計の受給額は寡婦年金の方が死亡一時金よりも多くもらえます
死亡一時金についてまとめると、
死亡一時金の受給条件・受給期間・受給額

・夫の国民年金の保険料の「納付済期間+免除期間」が3年以上

・夫が年金を受給せずに死亡した場合

・遺族基礎年金を受給できない場合

・夫の死後2年以内に一度だけ受給可能

・受給対象者は、死亡した方に生計を維持されている方で高い順位の方にのみ支給(①妻②子③父母④孫⑤祖父母⑥兄弟姉妹)

・受給額は納めた国民年金の保険料により12~32万円の間で支給

参考:「日本年金機構」

終活ドクター
寡婦年金と死亡一時金については理解できたと思います。
最後に、「遺族年金に関する注意点」について述べたいと思います

遺族年金に関する注意点

「遺族年金がもらえない場合ってどのようなケースがあるのか知りたい!」という方はこちらをご覧ください。

終活ドクター
「遺族年金を受けている親を扶養に入れることはできるのか?」
「遺族年金の税金について知りたい!」
「遺族厚生年金の年収850万円か所得655.5万円の違いは?」
について気になる方は必見です

遺族年金受給者でも扶養に入る?

扶養には2種類あります。「所得税上の扶養」「健康保険上の扶養」です。遺族年金を受けている親で、同一生計であれば扶養家族になることはできます。所得税上の扶養は合計の所得金額が38万円以下であれば扶養親族になります。所得というのは、収入から必要経費や所得控除をした後の金額の事を言います。なので、年収(収入)と所得という言葉は違うものであるということです。さらに遺族年金は非課税所得となっています。(老齢年金などは年金に課税されます)

ということは、遺族年金受給者の場合、収入が遺族年金のみであれば非課税所得なので、所得は0円になるので、所得税上の扶養には入れることになります。健康保険上の扶養はというとそうではないです。扶養に入る基準として、
①年収が130万円未満(60才以上、障害者は180万円)
②その年収が、同居の場合は被保険者本人の年収の2分の1未満、別居の場合は被保険者本人からの仕送り額よりも少ないこと
があります。遺族年金でも年間130万円、もしくは180万円以上もらっている場合は健康保険上の扶養とはなりません。

終活ドクター
遺族年金、障害年金は非課税所得ですが、通常の年金(老齢年金)は課税対象になりますので、難しい場合は専門家等に頼むようにしましょう。

税金周りについて相談したい場合は無料で税理士に相談できるので活用しましょう。

まとめ

今回紹介した遺族年金について簡単に振り返っていきましょう。
遺族年金は請求を行わなければ受け取ることができないことは理解できたと思います。その遺族年金の時効は5年でしたね。この時効と言うのは、5年よりも前の遺族年金は受け取ることはできませんが、5年前以内であればそれ以降継続して受け取ることができるということもお分かり頂けたと思います。遺族年金は請求してから約4ヶ月はもらえないので早く受け取りたい方はお早めに請求を終わらせることをオススメします。

もしも受給の条件を満たしていないとしても、「寡婦年金」「死亡一時金」などの年金給付制度がありましたね。請求に必要な書類も確認できたと思います。

いかがでしたでしょうか。遺族年金に対して「こんなにもらえるの!?」という方や「全然もらえないじゃん」という方もいたと思います。どちらにしても知っているだけで得をするような情報ばかりだったと思います。相続や年金は知らないと損をすることが多いので生きているうちにできることを最大限しておくと残された家族はありがたく思うはずです。請求するための書類も見た感じ多いので大変かもしれませんが、このステップに沿って請求を行えば遺族年金をもらえると思います。