「身内や身近な人に不幸があったけれど葬儀に参列できなかった」このような人は多いはずです。だから弔問(遺族の家に行くこと)に行く予定だけれど「仏壇にお線香をあげる際のマナー」に対して不安に感じている方はかなり多いです。
「遺族に常識知らずな人と思われたくない」
「恥ずかしい思いをしたくない」
このように思っている方は多いです。この記事を読めばそのような不安は消えて、礼儀正しく仏壇にお線香をあげることができます。
目次
仏壇にお線香をあげる際のマナー
仏壇にお線香をあげる際に気を付けたいマナーはたくさんあります。お線香に直接火を点けてはいけなかったり、ロウソクが左右に2本ある場合は右側のものを使用しなければならなかったり、お線香の本数や香炉に立てるか寝かせるか、それとも折るのかは宗派によって違います。マナーとしてりん(鐘)は鳴らさない方が良いとされています。簡単に結論だけを述べました。この記事では詳細まで分かりやすく解説しています。
この記事を読むことによって読者の皆さんが得られる知識をこの記事の流れとともにまとめておきます。
・お線香をあげる意味が分かる
・仏壇にお線香は毎日あげるべきであることが分かる
・お線香をあげる上でやってはいけない行為が分かる
・お線香をあげる本数やあげ方について宗派別に理解できる
・お線香をあげる際にりん(鐘)を鳴らすべきでないことが分かる
・手土産として持参するお線香のオススメを知れて、購入までできる
仏壇にお線香をあげる意味
結論から言いますとお線香をあげる意味は
「自分の身とその場を清める」
「故人に良い香りを供養する」
の2つの意味があります。死後の人間は浄土に行くまで匂いだけを食べるとされています。ゆえにお線香をあげることによって故人と煙を通じて会話ができるとされています。
仏壇にお線香は毎日あげるの?
2,3日何も食べていなかったらお腹が空きますよね?これと同じ考え方です。お線香の香りは故人の食べ物ですので毎日あげるようにしましょう。毎日お線香をあげることによって邪気を払う効果も見込めます。邪気を払って、故人や先祖に一日の無事を祈りましょう。
問題ありません。マッチが無くてもライターでロウソクに火を点ければ大丈夫です。とはいえ、「ロウソクに火を点けたくない」という方もいると思います。ロウソクが切れてしまっていれば仕方のないことですが、なるべく、お線香にライターで直接火を点けるのは避けたいところです。
ロウソクに一度火を点けてからお線香に火を移すのが面倒という方もいると思います。それであってもロウソクに火を点けてからお線香に火を移すようにしましょう。というのも、仏事ではロウソクの灯りが邪気を払い、光明を導くという考え方がされているからです。お線香だけでもその効果は見込めますが、しっかりとロウソクに火を点けたいところです。
仏壇にお線香をあげる際の正しい手順
仏壇にお線香をあげる際の正しい手順について詳しく解説します。
1.遺族に対して一礼
2.膝立ちで進み仏壇の前に正座する
3.数珠は左手で持ち、故人に対して軽く一礼
4.ロウソクに火を灯し、お線香に火を移す
5.お線香を持っていない方の手でお線香の火を仰いで消す
6.香炉(お線香を立てる場所)に1本ずつ立てるor寝かせる
7.合掌し一礼
8.膝立ちで後ろに下がり、遺族に対して一礼
これが仏壇にお線香をあげる際の手順です。
仏壇でお線香をあげる際のNGマナー
お線香をあげる際にやってはいけないこともあります。
・ロウソクに火を点けないで直接お線香に火を点ける
・数珠を持たずにお線香をあげる(故人の前で裸でお線香をあげているのと同じになってしまうため)
・お線香に点いた火を手で仰いで消すのではなく、口で消す
・遺族の宗派にあったお線香のあげ方をしていない
これらをやってしまうと「常識のない人」といったレッテルを貼られてしまう可能性があります。せっかくこの記事を読んでいるのですからしっかりとマスターしていきましょう。
お線香に点いた火を口で消すのはNGです。口から出た息は仏教では穢れたものとして扱われています。神聖な場所でやるべき行為でないことはほとんどの方が知っていることでしょう。
そうですね。たまにロウソクが左右に2本ある家がありますが、この場合は右側のロウソクだけを点けるのがマナーです。左側のロウソクには火を点けることはありません。
仏壇にお線香をあげる際の本数は宗派によって決まる
「1本でいいんじゃないの?」「3本じゃないの?」などと色々な声が聞こえてきそうですが、結論から言いますと、「どれも正解ですが、場合によっては不正解」になるものです。というのも、仏壇にお線香をあげる際にお線香の本数は原則として宗派ごとに決められているからです。
遺族の宗派に合わせるようにします。なので事前に葬儀社や参列者の方等に確認を取るなりしておくとスムーズです。以下に宗派とお線香の本数をまとめておきました。
宗派 | お線香の本数 |
浄土真宗 | 1 |
臨済宗・曹洞宗・日蓮宗 | 1 |
浄土宗 | 1~2 |
天台宗・真言宗 | 3 |
天台宗や真言宗は3本としましたが、お線香の立て方にもルールがあります。それは「逆三角形を作る」ということです。ご自身の方に1本のお線香で、仏壇側に2本のお線香が来るようにします。また、故人が亡くなってから四十九日の間は天台宗・真言宗であっても1本のお線香にします。
仏壇にお線香をあげる際に折る?立てる?寝かす?
お線香の本数だけでなく、お線香を折るのか、立てるのか、寝かせるのかも宗派によって異なります。以下に宗派と本数と折るのか、立てるのか、寝かせるのかについてまとめておきました。
宗派 | 本数 | 立てる/寝かせる | 折る/折らない |
浄土真宗 | 1 | 寝かせる | 折る |
臨済宗・曹洞宗・日蓮宗 | 1 | 立てる | 折らない |
浄土宗 | 1~2 | 立てる | 折る |
天台宗・真言宗 | 3 | 立てる | 折らない |
浄土真宗では、お線香を香炉の大きさに合わせて2つか3つに折るようにします。浄土真宗はお線香を寝かせるので、火が点いている方を左側にして寝かせます。浄土宗は1~2本のお線香を2つ折りにして香炉に立てて使います。
仏壇にお線香をあげる際にりん(鐘)は鳴らすべきか?
結論から言いますと、お線香をあげる際に「りん(鐘)は鳴らしません」というのが結論です。基本的にはお線香をあげる際にりん(鐘)を鳴らすのはマナー違反です。りんは僧侶が読経するのに使用するため、お線香をあげる際に使うことはありません。
とはいえ、「絶対にやってはいけない」ほどのマナー違反ではないです。それよりもお線香の火を口で消すなどの方がよっぽどのマナー違反です。なのでりんに関してはそこまでナーバスになる必要はありません。
仏壇にあげるお線香の手土産としての選び方
結論から言いますと、「香り」と「煙」で選びます。煙はお墓参りのようにモクモクと出過ぎても困るので「杉線香」は選ばないようにします。仏壇にお供えするお線香としては「匂い線香」を選ぶようにします。香りに関して決まりはないので、故人が好きだった香りのお線香を持参したり、ご自身がお気に入りのお線香を持参しても問題ありません。
線香の香りで人気があるのは、伝統的な伽羅(きゃら)や白壇(びゃくだん)の香りです。線香の香りを思い浮かべてもらえればそれが伽羅や白檀です。かなり定番なので多くの方と被ってしまうこともあるのでそれが嫌な方は違ったものを選ぶと良いでしょう。
ホームセンターやスーパー、ドラッグストアでも手に入ります。とはいえ、何軒も回るのは面倒ですよね。この記事では通販で購入できてAmazonでも売れ筋の人気商品をご紹介致します。
仏壇にあげるためのお線香のオススメ
ここでは3つのお線香をご紹介致します。
1.【ご仏前】お線香花くらべ3筒セット 名入れ対応
桐箱入りで、煙の少ない微煙タイプのおしゃれなパッケージをしたアロマ香ですので、贈られた方からの評価が高いお線香です。
【のしについて】:「御供」は四十九日の前後関係なくすべての仏事全般に使用しますので、迷われた方はこちらをご選択下さい。「御仏前」は四十九日後のすべての仏事に使用します。今回は、「御供」もしくは「御仏前」のどちらを選らんでも問題ありません。さらに送り主の名前も入れることができます。お値段は3,240円とお供え物の中ではかなり安い方です。
【仏様のご馳走】願いを叶うといわれる仏様のご加護を頂き、爽やかなお線香ギフトです。立ちあがり歩むお線香贈答用甘茶のお香、清浄甘茶香。お清めに良い甘茶は開運・厄除けの、神仏に好まれ喜ばれる清浄なお線香です。蓮の絵シンプルでおしゃれなお線香ギフト用の贈り物です。お値段は3,240円とお供え物の中ではかなり安い方です。
3.日本香堂 お線香 絵ロウソクセット
稲葉・仏壇店の「芝山 桐箱 絵ろうそくセット」は、Amazon倉庫より発送となりますので、御供ののしが付いている商品(外のし)の発送となります。植物性原料を配合した本品は、着色料は使用せず、自然な色合いを大切に仕上げられています。絵ロウソクに火を灯すとお花がご先祖様に届き、餓鬼を供養することができるそうです。煙は少なめでお値段は3,000円となっております。気になる方はお早めにチェック!
自宅にお線香をあげにいく服装
弔問する際に着るべき服装はずばり「地味目の平服」です。「地味目の平服って言われても…」と思いますよね。その場合は男性は黒のスーツ、女性はダークカラーのワンピースがオススメです。
「弔問の持ち物」「お悔やみの言葉のかけ方」「弔問の流れ」「弔問でやってはいけない行為」「弔問時のタイミング別の服装」など詳しい内容はこちらの記事に書いてありますのでご覧ください。
まとめ
この記事では、「仏壇にお線香をあげる際のマナー」についてお線香のあげ方に関連するところを中心に分かりやすく解説してきましたが、理解できましたでしょうか?今回解説したことをまとめていきましょう。
・お線香をあげる意味は「自分の身とその場を清めるため」「故人に良い香りを供養するため」
・死後の人間は浄土に行くまで「匂い」だけを食べるとされている
・仏壇にお線香は毎日あげたほうが良い
・一度ロウソクに火を点けてからお線香に火を移すようにする
・お線香に点いた火は手で仰いで消す(口で消すのはNG)
・ロウソクが2本ある場合は右側のロウソクに火を点ける
・お線香をあげる本数やあげ方は宗派によって異なる
・お線香をあげる際にりん(鐘)は鳴らさないようにする
・手土産としてのお線香を選ぶ際の基準は「香り」「煙」
いかがでしたでしょうか。「仏壇にお線香をあげる際のマナー」についてしっかりと理解出来ましたか?「お線香のあげ方」にはたくさんのマナーがあったと思います。「全て覚えられるか不安」という方もいるでしょう。その場合は何度もこの記事を見て理解するようにしてください。一度しっかりとした知識がつくと他の場面でも応用がききます。通夜や葬儀には色々なルールがあります。皆さんが葬儀等で困るであろう状況を解決するために有益な情報を発信していますので、気になる方は他の記事もご覧ください。
「お線香をあげる際のマナーって何?」
「お線香ってそもそも何であげるの?」
「お線香は毎日あげたほうがいいの?」
「お線香の本数って何本?香炉に立てればいいの?寝かすの?」
「りん(鐘)は鳴らしてもいいの?」
「手土産として持参するお線香のオススメが知りたい!」
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