「祖母が亡くなってしまい、孫としての立場で葬儀に参列することになったけど、香典は包むべきなの?」
「遠方で葬儀に参列することができないとき、香典ってどうすればいいの?」
「孫夫婦で香典を包む場合の金額の相場は?」
などと、短期間にやっておくべきことが多くなってきます。このページでは、このような疑問や悩みを解決します。最後まで読まないで、葬儀に参列してしまうと、思いもよらないところで恥をかく可能性があるので、最後までご覧くださいね。
目次
孫は自分の祖母・祖父の葬儀で香典を出すべき?
結論から言いますと、孫が自分の祖母・祖父の葬儀で香典を包む必要がある場合もあれば、包む必要がない場合もあります。要するに、ケースバイケースです。判断基準は、ご自身(孫)が家から出ている(結婚や養子になっている)ことが重要です。このページを読むことによって、ご自身が香典を包むべきか、包まないべきかが明確に分かります。
孫夫婦として参列する場合は、1万円ほど多く包むことが多いです。とはいえ、葬儀は嬉しいものではないので、高額な香典を包むのはおかしいです。中には孫夫婦として参列する場合でも、香典の金額を変えない方もいます。不安な方は、周りの人と相談して決めるのが良いでしょう。
このページを読むことによって、読者の皆さんが得られる知識を、このページの流れとともにまとめておきます。
・孫が祖父・祖母の葬儀にて、香典を包むべきかがケース別に分かる
・香典を包む際の相場が分かる
・孫夫婦として参列する場合の香典の相場が分かる
・葬儀に参列しないときに、香典を出すべきかが分かる
・香典を包む際の、間違えると恥ずかしいマナーを知ることができる
・香典を出すときのマナーが分かる
祖父・祖母の葬儀で孫の香典がいらない場合
結論から言いますと、「ご自身が家から出ているか、そうでないか」が非常に重要な判断基準になります。ここで言うところの「家から出ている」という意味は、「既に結婚や養子になっていて、既に実家の一員ではない」ことを言います。さらに、香典のルールとして、「1家族につき1香典」というルールがあります。
実はそうでもないんです。たしかにこの場合は、香典が必要になってくる場合が多いです。では、「結婚をしていても香典が必要ない状態」というのはどのような状態なのでしょうか?それは、「祖父・祖母の葬儀費用を負担している」場合です。葬儀費用を負担しているということは、「香典を出す側(参列者側)」ではなく、「香典をもらう側(遺族側)」になっているということになります。
そういうことになります。孫が既に社会人で独立していて、親や祖父母と別居していたとしても、別世帯になっているわけではないので、香典は必要ありません。この独立している孫は、親や祖父母の家族になるので香典を包むのではなく、香典をもらう側になります。簡単にまとめると、
・結婚をしていない
・養子になっていない
・同居、別居に関わらず家から出ていない場合
・結婚、養子になっていたとしても、葬儀費用を負担している場合(香典をもらう側になるため)
祖父・祖母の葬儀に孫が参列しない場合も香典は必要?
ご自身(孫)が香典を包むべき人で、祖父・祖母の葬儀に参列しない場合は香典が必要になります。ここのルールも、上記と同じで、「1家族につき1香典」です。孫が親の家に属するのであれば、葬儀に参列できなくても香典は必要ありません。
祖父・祖母の家が遠方にあるため、仕事のために葬儀に行けない孫も多くいます。その場合に香典を包む方法は2つあります。
「葬儀が終わった後、祖父母の家に弔問し、その際に香典を渡す方法」
「香典を郵送する方法」
以上の2つの方法があります。どちらを使っても問題はないですが、孫という立場なので、できることなら弔問して直接香典を渡す方が良いでしょう。
弔問にはいくつかの守るべきマナーがあります。祖父母という立場だからこそ、なあなあになってしまいがちですが、一度覚えてしまえばどの場面でも使えますので、こちらの記事でしっかりと確認しておきましょう。
このような疑問を持っている方は非常に多いです。別記事で分かりやすく解説していますので、気になる方はご覧ください。
祖父・祖母の葬儀で孫が包む香典の相場
祖父・祖母の葬儀での香典の相場は1~5万円ほどです。なぜこのように金額に幅があるのかと言うと、香典の金額は「故人との関係性」「ご自身の年齢」が関わってくるためです。故人との関係性は孫と祖父・祖母という関係なので一定です。ゆえに、この金額の幅はご自身の年齢によって変わってきます。
祖父・祖母の葬儀で孫が包む香典は3万?それとも5万?
このケースでの香典の相場は1~5万円であることが分かっていると思います。3万円か、5万円かに関してですが、表にまとめましたので確認してみてください。このケースでの金額は、親や祖父・祖母と同居している、していないに関わらず年齢の違いだけによって変わります。
ご自身の年齢 | 香典の相場(円) |
20代 | 10,000 |
30代 | 10,000~30,000 |
40代 | 30,000~50,000 |
50代~ | 50,000 |
中には、「自分は20代だけど祖母にとってもお世話になったからもう少し香典を包みたい!」という方もいるでしょう。その場合は30,000円までにしておきましょう。というのも、香典は高額であるほど良いものではないからです。とっても深い関係性であれば、相場よりも少しくらい高く包んでも問題はありません。遺族は参列者である皆さんから頂いた香典の金額に基づいて、香典返しを行います。高額であるほど遺族の負担も大きくなるので、しっかりと理解しておきましょう。
結論から言いますと、「問題ない」です。下記で詳しく解説しています。
祖父・祖母の葬儀で孫夫婦が包む香典の相場
孫夫婦で香典を包む場合でも、金額を変える必要はありません。とはいえ、配偶者からの弔意を示すためにも相場から1万円ほど多く包む方もいます。葬儀(告別式)の後に「精進落とし」を頂く場合はその分だけ多めに包んでおく方が良いでしょう。精進落としというのは、告別式の後に食べる食事のことを言います。
人によっては、「夫婦で参列してるんだから気持ちを包みなよ」という方もいますが、基本的には前述している表の通りに包めば問題ありません。何度も言いますが、香典は「多ければ良い」というものではありません。良かれと思ってやったことなのに、遺族からすると迷惑と感じることもあるので注意しましょう。
祖父・祖母の葬儀で孫が香典を包む際のマナー
孫としてだけではなく、香典を包む際のマナーはたくさんあります。このページで紹介する香典を包む際のマナーは5つあります。
「表書きの宗教・宗派別の書き方」
「中袋の金額の書き方」
「数字的なマナー」
「お札の向きのマナー」
「新札を使わないこと」
についてご紹介します。
祖父・祖母の葬儀で孫が包む香典の表書きのマナー
表書きとは、香典の表紙に書いてある「御霊前(ごれいぜん)」「御仏前(ごぶつぜん)」などのことです。結論から言いますと、これらの表書きは宗教・宗派などによって異なります。
ご自身の宗教・宗派ではありません。遺族の宗教や宗派に合わせる必要があります。
調べ方は、訃報(故人が亡くなったことを知らせる連絡)が来た際に確認してみるのもよいですし、親族の方に聞いてみても問題ありません。それでも、聞ける雰囲気でない場合もあります。その場合は、どの宗教・宗派でも使用可能な「御霊前」を使用すると良いでしょう。ただ、仏教の中の「浄土真宗」は、人が亡くなると仏になるという教えがありますので、「御仏前」を使用するのがマナーです。(これも分からなければ「御霊前」で大丈夫です)
そうではありません。故人が亡くなってから四十九日が経過すると、浄土へ行き仏になります。そのタイミングで御霊前ではなく「御仏前」になります。今回の場合ですと、葬儀ですので迷ったら「御霊前」で問題ありません。
簡単に宗教・宗派別に表書きの種類を解説していきます。
宗教・宗派 | 表書き |
仏教(仏式) | 「御霊前」「御香典」「御香料」 |
神道(神式) | 「御霊前」「御玉串料」「御神前」 |
キリスト教 | 「御霊前」「御花料」 |
キリスト教の中のカトリック | 「御霊前」「御ミサ料」 |
キリスト教の中のプロテスタント | 「御霊前」「献花料」「忌慰料」 |
無宗教 | 「御霊前」 |
上記の表のように、どの宗教でも「御霊前」は使用できることが分かったと思います。まったく違うものを書いてしまうと失礼にあたるので気を付けましょう。
祖父・祖母の葬儀で孫が包む香典の中袋の金額について
中袋とは、香典の中にあるお金を入れる封筒です。こちらにもマナーはあります。中袋への金額の書き方は、旧字体(大字)を使用して書いていきます。
・5,000円 金伍仟圓
・7,000円 金七仟圓
・10,000円 金壱萬圓
・30,000円 金参萬圓
・50,000円 金伍萬圓
注意しておきたいのは、伍萬圓などの金額の前に「金」と入れることです。金伍萬圓也といった形のものを見たことがある方もいると思いますが、「也」は付けても付けなくても大丈夫です。
祖父・祖母の葬儀で孫が包む香典の数字(金額)のマナー
孫として包む香典の相場に関しては、理解ができていると思います。その金額の数字にもマナーはあり、避けておきたい数字があります。それは、「偶数」と「4」「9」という数字です。
偶数は割り切れてしまうので、良くないとされています。「故人とこの世のつながりが切れてしまう」からです。4と9については予想ができると思いますが、「4=死」「9=苦」を表しているため、このような金額を包むと「常識のない人」という印象が付いてしまいます。
実は、例外として「2万円」は包んでも問題ないとされています。「故人との関係性から見て1万円は少なすぎるけど、3万円は多すぎる」と思う方が多いためです。
孫夫婦として1万円ずつ、合計で2万円包む際も「偶数が良くないから、5,000円札を含めて3枚にしよう」とする必要はありません。
ですので、お札の枚数は最小限に、お札の種類をそろえる(3万円なら1万円札だけ)などにすることをオススメします。
祖父・祖母の葬儀で孫が包む香典のお札の向きについて
「お札の向きって関係あるの?」という方もいると思いますが、実は関係あります。とはいえ、この中では比較的緩いマナーですので、「よくわからない!」という方はお札の向きをそろえるだけで大丈夫です。
ルールとしては、上記の向きでお札を入れるだけです。中袋は裏向きにして、お札は表向き(金額や肖像のある方)にして、肖像(人の顔)が描かれている方を下にして入れます。特に難しいようなマナーではないので、この図の通りに入れれば問題ありません。
祖父・祖母の葬儀で孫が包む香典に新札は使わない
葬儀や法要で包む香典に「新札を使うのはマナー違反」です。というのも、新札を包むときは、あらかじめ準備ができる行事(結婚式など)です。しかし、葬儀で持参する香典に新札を使用してしまうと、「あらかじめ故人の死を予期していた」かのような印象を遺族に与えてしまうため、よくないとされています。
通夜や葬儀は急なものですから、そのような事態は起こります。その場合は、「新札に折り目をつける」ことが良いでしょう。縦や横半分に折り目をつけても構いません。大事なのは、新札ではなく使い古したものという印象が大切です。
シワシワなお札や、破れているお札を使用するのは逆に失礼に当たります。この部分は常識的に理解できると思いますので詳しい説明は避けます。
祖父・祖母の葬儀で孫が香典を出す際のマナー
孫が祖父・祖母の葬儀で香典を出す際に気を付けたいマナーは、3つあります。結論から言いますと、
「香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参」
「香典を出すときは袱紗から出して渡す」
「香典は相手から見て正面の向きで出す」
といったものです。
常識的に考えて分かるようなものばかりですので、「こんなの分かるよ!」という方は飛ばしてしまっても問題ありません。分かりやすく解説していきます。
祖父・祖母の葬儀で孫は香典を袱紗に包んで持参する
袱紗(ふくさ)は「礼節を重んじていることを遺族に示すため」「水引(香典を包む紐)の形が崩れないようにするため」といくつかの意味があります。葬儀などで使用する袱紗の色は「紫」「紺」「緑」などの寒色系であると良いです。紫の袱紗は慶事(結婚式など)でも使用できますので、とっても便利です。
上記の図のように袱紗を包みます。
祖父・祖母の葬儀で孫が香典を出すときは袱紗から出して渡す
香典が袱紗に入ったまま、受付の方に香典を渡すのはマナー違反です。袱紗から香典を取り出して渡すようにしましょう。渡す際にも渡し方があるので確認していきましょう。
祖父・祖母の葬儀で孫が香典を渡すときは相手から見て正面の向きで渡す
香典を渡す際に、袱紗から取り出して渡すことは分かっていると思います。香典の渡し方は、相手から見て正面の向き(自分から見ると逆)にして渡しましょう。「そんなの分かっているよ」と思うかもしれませんが、忘れやすいのでしっかりと押さえておきましょう。
まとめ
このページでは、「祖父・祖母の葬儀で孫が香典を包むべきか」について香典に関連するところを中心に分かりやすく解説してきましたが、理解できましたでしょうか?今回解説したことをまとめていきましょう。
・孫が家から出ているか、そうでないかによって香典を包むか変わってくる
・香典は「1家族につき1香典」
・孫が結婚していても、葬儀費用を負担していれば香典を包む必要がない
・葬儀に参列できなくても、香典を出すべき
・葬儀に参列できないときの香典の出し方は、「弔問に行き、直接渡す」「郵送で渡す」という2つの方法がある
・祖父・祖母の葬儀での香典の相場は1~5万円ほど
・香典の金額は、「故人との関係性」「ご自身の年齢」によって変わってくる
・孫夫婦として香典を包む場合は、1万円ほど多く包むのが普通だが、強制ではない
・香典の表書きは宗教によって異なる
・中袋に書く金額は、旧字体で文頭に「金」をつける
・香典として包む金額には避けるべき数字がある
・中袋にお札を入れる場合は向きを揃える
・香典に新札は使用しない
・香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参する
・香典を出すときは、袱紗から出して、受け取る人から見て正面の向きで渡す
いかがでしたでしょうか。「祖父・祖母の葬儀で孫は香典を包むべきか?」についてしっかりと理解出来ましたか?「香典」にはたくさんのマナーがあったと思います。「こんなに守るの大変!」と思った方もいると思います。ですが、一番つらく、大変なのは遺族です。葬儀に関わる全ての方が気持ちよく故人を送り出せるように、参列者ができる精一杯のことをするようにしましょう。葬儀・仏壇・お墓・相続には色々なルールがあります。皆さんが葬儀等で困るであろう状況を解決するために、有益な情報を発信していますので、気になる方は他の記事もご覧ください。
「孫は香典を包むべき?」
「葬儀に参列しない場合は、香典を包まなくてもいいの?」
「孫として香典を包むときの相場っていくら?」
「孫夫婦として香典を包む場合は、金額は変わってくるの?」
「香典を準備する際のマナーについて教えて!」
「香典を出すときにルールはあるの?」
などの悩みや疑問を解決できますよ。